2020年 四国八十八ヶ所遍路 その7  2021年2月12日更新
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(つづき)

17日目

ゲストハウス水仙(の里)



高知県香南市野市町西野 2020年10月 日・撮影


17日目。台風14号は、紀伊半島沖を東進し、四国への上陸はなくなった。天気は晴れてきた。ちなみに、昨日9日、室戸岬では最大瞬間風速32.2mを記録したという。
ゲストハウス水仙での朝は、豪華でボリュームたっぷりの朝食で始まった。さらにお接待でおかず付きのおにぎりを昼食用に持たせてくれた。小さなザックも貸してくれた。そして、昨日車に乗せてもらった野市駅の少し先まで送ってくれた。本当にありがたいことだ。頭が下がる。

まずは、28番札所、大日寺を目指す。四国遍路の札所の中に大日寺といおう寺は3つある。2つは徳島県にある。ここのご住職は岩波新書の「弘法大師空海と出会う」の著者である川崎一洋氏。難しいことがわかりやすく書かれていて、ためになる本だった。庭で一生懸命草取りをしている人がいたので、まさかとは思ったが、顔をじっと見てしまった。お爺さんで、もちろんご住職ではなかった。著名な密教学者だから、草取りなんぞはしないか


28番札所、大日寺 本堂



高知県香南市 野市町 2020年10月10日・撮影



物部川(ものべがわ)にかかる戸板島橋を渡り、田園地帯を西へ進む。荷物がほとんどないに等しいから、歩きも軽やかである。しばらく行くと松本大師堂がある。ここはきれいに整備された小さなお堂で、泊まりたくなる。正式には、「松本大師堂へんろ小屋」と記されていた。
JR土讃線の野田踏切を渡りさらに田園の中を行き、途中有名なへんろ石饅頭を1つ買って食べた。国分川にかかる国分橋を渡ると、地蔵渡しがあり、29番札所、国分寺に着く。参拝する。



松本大師堂



高知県香美市松本 2020年10月10日・撮影


国分川 国分橋 地蔵渡し付近



高知県南国市国分 2020年10月10日・スマホで撮影

(スマホでも、十分にきれいに写っている。スナップや記録写真はこれでOKかも。)


地蔵渡し



高知県南国市国分 2020年10月10日・撮影



29番札所、国分寺 本堂



高知県南国市国分 2020年10月10日・撮影

本堂は、柿葺き(こけらぶき)寄棟造りというそうだ。




30番札所、善楽寺へは、国分川沿いの道を選び、蒲原を通り、逢坂峠を越えて高知市に入った。この市境が
逢坂峠で、標高はわずか59mだが、意外にキツイ。道路はゆっくりと登っていく。ここをなめたらアカン。小高い丘の上に、いくつもの運送会社の巨大トラック基地があり、ちょっと異様な感じがする。すぐ近くが高知自動車道の高知ICで、見下ろせばそこは高知市内という立地のよいところだ。
逢坂峠を越えてしばらく歩いたら、左手の墓地の狭い道を一気に下る。ここは道がちょっと分かりづらい。でも、道しるべはある。500mほどで、善楽寺。参拝。



30番札所、善楽寺 大師堂



高知県高知市しなね 2020年10月10日・撮影

結局、この日も納経するとほぼ5時になってしまった。

遍路道は、ここ善楽寺で直角に曲がって南下する。1kmほど歩くと、JR土讃線の土佐一宮(いっく)駅に着く。本日の歩き遍路はここで終わり。歩行距離は、約19kmだった。
あとは電車で土佐山田駅まで行き、この日はゲストハウスの息子さんが迎えに来てくれた。


(つづき)


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