四国八十八ヶ所遍路 その8  2021年1月14日更新 (その1はこちら) (その2はこちら


(つづき)

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18日目

あかいアンパンマン列車 (土讃線)



高知県南国市 後免駅 2020年10月11日・撮影


朝、車で最寄り駅の野市駅まで送ってもらう。この辺の鉄道は知らないとちょっと分かりにくい。土佐くろしお鉄道阿佐線(ごめん・なはり線)で3つ目の後免駅まで行き、JR土讃線に乗り換えて(直通列車もある)、3つ目の土佐一宮駅で降り、昨日の歩行最終地点から歩き出す。
3kmほど歩くと、土佐電鉄(正式にはとさでん交通)後免線の文殊通駅を通過する。この鉄道は路面電車で、東は後免町まで、西は伊野まで伸びている。もちろんはりまや橋で交差して、高知駅、高知港の桟橋通五丁目まで行ける。

今日は五台山にある牧野植物園で、秋の花の撮影と植物観察をする。そして午後は31番札所の竹林寺をお参りする。楽な日程である。と、思うだろが、五台山は標高105m、その上の竹林寺は120mある。おまけに花の写真を撮り出すと、夢中になってしまい、けっこう歩き回るし、動く。思いのほか体力は使うのである。
遍路道を歩いて行くと、そのまま牧野植物園の中に入ってしまう。私には好都合である。
前回は春先に訪れ、今回は秋なので、花の種類が全然違う。特筆すべきは、蔓性のトリカブトのハナカズラの花がきれいに咲いていたことだ。
親切なおばさんとその息子さんらしい人がいて、私を一生懸命花の咲いている所に案内してくれた。ご丁寧に観光的な説明までしてくれる。それが実にガイド風なのである。お陰でずいぶん助かった。でも、なぜか、いつまでたっても離れずに、一緒に歩いてくるのにはちょっと困った。要するに知り合いというか、仲間になってしまっていたのだ。どこか離れがたい親しさがわいていたのも確かだ。



牧野植物園 南門



高知市五台山 2020年10月11日・撮影


31番札所、竹林寺は、牧野植物園南門の真正面にある。石段を登って山門をくぐると、苔生した庭は森閑としている。いくつもの石段を登り、ふと見上げれば、朱塗りの五重塔がそびえ立っている。ご本尊は文殊菩薩。4人の侍者連れ獅子にまたがる像としては日本最古で、秘仏。


31番札所、竹林寺 本堂



高知市五台山 2020年10月11日・撮影


竹林寺 石段と五重塔



高知市五台山 2020年10月11日・撮影


竹林寺 五重塔



高知市五台山 2020年10月11日・撮影



竹林寺 大師堂



高知市五台山 2020年10月11日・撮影



竹林寺 一言地蔵



高知市五台山 2020年10月11日・撮影

(凄いパワースポットとして有名らしい。ただし、願い事は一言だけだそうだ。叶ったという話はごまんとあるという。オイラも一言だけお願いした。)


牧野植物園で、花の写真などを撮ったら、何か気分転換ができたというか、一段落ついたような気分になった。竹林寺で参拝を終えると、午後2時だった。どうしようかなあ…。
そうだ、桂浜へ行こう。海だ! 坂本龍馬像だ!

とさでんのMY遊バスで1日周遊バス券(1000円)を買い、桂浜へ行った。桂浜へは五台山をどんどん下りていくが、25分ほどで着く。桂浜には来たことはあったが、なんかのんびりしたかった。土産物店で缶ビールを買い、砂浜の東屋でゆっくり飲んだ。天気はよく、潮風が心地よかった。ああ、このままお遍路を終わっても別にいいんだ、と思えた。夕暮れが近づいていた。ああ、こういうのを“まったりする”っていうんだな。


桂浜



高知市五台山 2020年10月11日・スマホで撮影


オマケ

桂浜で龍馬を乗せるオイラ


帰りもさっき買った周遊券で、JR高知駅まで行った。そして駅前のバスターミナルに入り、高速夜行バスの運行状況を見た。ぬぬっ、えっ? よくわかんねえ。窓口できくと、JR高速バスは1本も出ていません。ということだった。ホントか? 知らなかった! 困ったなあ〜。でも、困りはしなかった。ゲストハウスを基地にして、もっと泊まって、遍路を続けていけばいいんだ。
奥さんは、野市駅まで迎えに来てくれた。出掛け際に、今夜はお肉とお魚はどっちがいいですか? ときかれた。どっちも好きだが、魚系がいいかなと言っておいた。刺身も煮魚も、煮物もサラダもデザートもたくさんついた3日目の豪華な食事だった。




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