2020年 四国八十八ヶ所遍路 その9     2021年2月18日更新  (その1はこちら

32番札所、
禅師峰寺〜35番札所、清瀧寺


19日目。ゲストハウスの奥さんは、私がいいというのに、昨日の最終歩行地点の竹林寺まで車で送ってくれた。15kmくらいはあると思う。そういえば前回来たときも、ずいぶん遠くまで送迎してもらったなあ。ほとんどドライブ状態だった。奥さんは竹林寺にお参りか何かの用事で行きたかったようだ。そう思わせてくれたのかもしれない。門前で別れて、奥さんは竹林寺の石段を登っていった。私は五台山の山道を下り始めた。遍路道はあまり歩かれていないようで、荒れていた。
五台山小学校まで下りて、下田川の川岸を進み、石土池を巡って、32番札所禅師峰寺(ぜんじぶじ)に着く。最後少しだけ山を登る。境内からは土佐湾が望める。



五台山(竹林寺)  五台山トンネル、下田川より



高知市五台山 2020年10月12日・撮影


石土池 右の山が禅師峰寺 (手前の花はホテイアオイ)



高知県南国市十市(とおち) 2020年10月12日・撮影


32番札所 禅師峰寺 本堂



高知県南国市十市 2020年10月12日・撮影


32番札所 禅師峰寺 大師堂



高知県南国市十市 2020年10月12日・撮影


狸の置物 禅師峰寺納経所前



高知県南国市十市 2020年10月12日・撮影

(なぜか、こんなのがいました。じいっと見てください…。どうですか?
あなたはまだ修行が足りない!)


土佐湾を望む (禅師峰寺から)



南国市十市 2020年10月12日・撮影


禅師峰寺から海岸線の道を西へ6kmほど進むと、浦戸大橋にさしかかる。前回は種崎から長浜まで渡し船に乗ったので、今回は浦戸大橋を歩いて渡る。けっこう上りがあり、しかも歩道が狭いのでスリルがある、というか危ない。車にはすごく便利なのだろうが、歩き遍路にとっては評判が悪いだろう。


浦戸大橋



高知市浦戸 2020年10月12日・撮影


浦戸湾 (浦戸大橋より)



高知市浦戸 2020年10月12日・撮影


浦戸大橋を渡り終わってから、遍路道は右へ曲がるようになっているので、そのように行ったのだが、わからなくなり、迷子になった。先ほどの禅師峰寺の山から下りたところでも、道に迷った。どうやら高いところから低い平地に戻って、新しいところへ行こうとするときに方向音痴になる癖があるような気がする。垂直方向と水平方向の感覚が、うまくつながっていないというか、切り替えがヘタなのだろうか。浦戸湾沿いの道にはたどり着けなかったので、とにかく広い道をそのまま進み、34号線をマルナカ、民宿英光の前を通って長浜小学校に出た。
まあ、なんとか33番札所、雪蹊寺にたどり着いた。時刻は相も変わらぬ午後4時20分だった。
本日の歩行距離は14.6km


33番札所 雪蹊寺 本堂



高知市長浜 2020年10月12日・撮影



雪蹊寺 大師堂



高知市長浜 2020年10月12日・撮影



太玄塔



高知市長浜 2020年10月12日・撮影

明治時代の初めに寺を再興した名僧山本太玄住職を讃えて建立された。



大師像



高知市長浜 2020年10月12日・撮影

(台座に、かすかに「御大典記念」らしき文字が残っている。平成の即位か?)


雪蹊寺の近くには、長浜バス停があるので、そこからバスで30分ほどかけて高知駅に出た。
今日もまた、野市駅までお迎えしてもらった。今夜からは素泊まりに切り替えたので、奥さんと駅前のスーパーフジで買い物をした。



(つづく)



20日目。高知駅からバスで長浜営業所まで行き、昨日の続きを歩き始めた。雪蹊寺は申し訳ないが、門前で挨拶して通過した。
新川川沿いの道を歩いていると、元はお店のような家のおばあさんから、ジュースやお菓子のお接待を受けた。
雪蹊寺から約6.3km、1時間半ほど歩いて、10時少し過ぎには種間寺に着いた。めずらしく団体のお遍路さんが来た。人出が少しは戻ってきたようだ。


34番札所 種間寺 本堂



高知市春野町秋山 2020年10月13日・撮影


たのしい動物王国?



高知市春野町秋山 2020年10月13日・撮影

(道沿いの家の庭に作られていた。かなりインパクトがある。)



涼月橋 「新川の落とし」 (眼鏡橋になっているその上から撮った。)



高知市春野町森山 2020年10月13日・撮影



清瀧寺 仁王門



土佐市高岡町丁 2020年10月13日・撮影


仁王門 天井画 「蛟竜図」 (久保南窓・画)



土佐市高岡町丁 2020年10月13日・撮影



35番札所 清瀧寺(きよたきじ *居酒屋のせいりゅうではない。) 本堂



土佐市高岡町丁 2020年10月13日・撮影



清瀧寺の消防自動車



土佐市高岡町丁 2020年10月13日・撮影

(消防車がこのお寺までは登ってこれないので、あらかじめ待機しているわけではなく、防火、火の用心の意識を高めるために置いてあるのだという。)


清瀧寺は、土佐市内を抜けて、清滝山(378m)の中腹にある。標高差で100mくらいは登る。行って帰ってくる打戻りになるので、ふつうは荷物を置いていく人が多い。でも、私の場合は空身同然の小さなザックだけなので、そのまま登った。荷物が少ないのは本当に楽だ。この5日間でよくわかった。
野市のゲストハウス水仙を基地のようにした歩き遍路も、今日のこの清瀧寺で終わりであろう。これ以上先へ進むと、バスや鉄道で戻ってくるのがとても不便になる。
今日もけっこう遠いのだが、土佐市内の高岡高校通というバス停から伊野か朝倉まで行けば、土讃線かごめん・なはり線のどちらかの鉄道に乗れる。清瀧寺の納経所の人が、手書きの地図のコピーをくれて、高岡高校通バス停の位置を親切に教えてくれたので、助かった。
バス停のベンチでだいぶ待ったが、なんとか無事帰ってきた。バスは高知駅行きだったので、そのまま乗った。時間は1時間弱で、運賃も千円弱だった。
本日の歩行距離は、約19.5km。
今夜も野市駅からの迎えをお願いした。そして、さあ今夜はサッカー国際親善試合、コートジボアール戦である。試合開始は23:45だ。
なんせ、ふだんはテレビのない生活をしているので、こういうときはしっかり観たい。後から録画やYou Tubeを観ても、結果を知っているせいか、あまりおもしろくない。大型テレビのボリュームをしぼって、かぶりつきで観た。試合終了間近、柴崎のフリーキックを交替で入ったばかりの植田が頭で決めて、やっと1-0で勝利。なんとか気持よく眠れた。


(つづく)


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