ラムズイヤー Lamb's-ear



長野県北安曇郡池田町 2020年6月5日・撮影

道端のコンクリートの隙間のような所に、雑草のように生えていた。さて何だろうと思ったのだが、名前が分からなかった。名前を知らなかったのだ。(念のために言っておくが、思い出せなかったのではない…。)
ハーブか帰化植物だろうとは思ったが、そのままになってしまった。もちろん気にはなっていたが、調べるのが全然熱心でなくなった。なぜだろう…。コロナのせいか?(いや、それは関係ないだろう…。)
まず、手近にあった洋花の植物図鑑を見た。載っていなかった。
次に、帰化植物図鑑をぺらぺらめくっていったが、載っていなかった。(ハンディタイプの植物図鑑は、見当が付かないときは結局1ページずつぺらぺらめくていくしかない。)
なら、ハーブの図鑑だな。1冊持っていたような気がしたが、どこかに紛れ込んで出てこない。(ここで本を探し出そうとしてはいけない。結局物置の中までひっくり返し、とんでもないことになる。いやもっととんでもないのは、途中でまるっきり別のことをやり始めて、収拾がつかなくなるから…)
なんでもそうかもしれないが、植物の名前は、知らないと意外に手こずる。
ネットに植物の検索サイトもあるが、1つずつ、yes or no で、検索をかけていくのがなんだかずいぶん面倒なことをやっているような感じがしてくる。最後にうまくその植物名に行き着ければよいのだが、真面目にやったのにとんでもなく違うものにたどり着いて、ばかばかしくなることがある。
そこで、奥の手を使った。完璧な邪道だが時々これを使う。この花にいちばん似ていると思う花の名前にチョット言葉を加えて、ネットで検索をかけるのである。
今回は、私が知っている花の中では、花の色は黄色でまったく違うが、ビロードモウズイカが近いような気がしたので、「ビロードモウズイカに似たピンク色の花」で検索してみた。もちろん画像検索のページを見るのである。すると、ビロードモウズイカはもちろんのこと、ビロードモウズイカに似たいろいろな花の写真が出てくる出てくる。その数はすごく。もちろん玉石混交で、間違いや嘘も多いが、そこを逆に活用するのである。スクロールしていくだけだから簡単。そして、1つでもこの花と同じ写真が出てくればめっけものなのである。
写真はこういうときは便利である。見た瞬間に、「あっ、この花だ」と、すぐ分かる。その写真の説明に植物名が載っているから、ここでだいたい解決する。もしだめ押しをしたいときは、その写真が載っているサイトを開いて確認すればよいわけである。

なんとも前置きが長くなってしまったが、この植物は、「ラムズイヤー」というハーブであることがわかったのである。英語で「子羊の耳」という意味。白い毛で覆われた葉が、子羊の耳に似ていることから、この名前がつけられたのだろう。触ってみたが、ふかふかすべすべしていて、それは柔らかく気持ちいい感触だった。
観賞用の花だそうだから、まあ何があったかは知らないが、どこかの畑か庭から逃げ出して来て、流れ流れてこの道端で育ち、ここで花を咲かせたのだろう。
 (2020年6月30日・更新)

ビロードモウズイカ



表紙・Topへ(最新/New)     バックナンバー 花手帖1(1月〜6月の花)  花手帖2(7月〜12月の花)