マムシグサは、あまり気持ちのいい植物ではないが、初夏の野山を歩いていると、よく出っ喰わす。平地から山地の野原、林の縁や中などの日陰のような所にふつうに生えている。 種類も細かく分かれていて多いが、色や形の個体差や地域差も激しいので、見かければついしげしげと、どの種類だろう…なんて見てしまう。でも、あまりよく分からないで終わってしまう。 仏炎苞といわれる花の部分は、4〜6月頃に咲く。種類が同じマムシグサでも、この部分が暗紫色で色の濃いものと、明るい緑色のもののふた通りがある。写真は、色の濃い方である。 茎には、紫褐色または赤紫色のまだら模様が見られ、その色と様子がマムシに似ていることからその名が付いたという。 夏になると、緑色のずんぐりしたトウモロコシのような実がなり、やがて秋が来ると真っ赤になる。そして冬になっても、鮮やかな赤い実はそのまま残っている。 有毒植物である。特に球根の毒は強く、食べると命にかかわるという。すぐ効くらしい。サトイモ科、テンナンショウ属。 |
(2020年6月28日・更新) |